バイクのバッテリー交換を考えているけど、

「YT4L-BS」と「YTX4L-BS」って何が違うの?
と疑問に思っている方、多いんじゃないでしょうか。
見た目もサイズもほぼ同じで、パッと見ただけじゃ違いが分からないですよね。でも実は、この2つには大きな性能差があって、選び方を間違えるとバイクの寿命を縮めてしまう可能性もあるんです。
この記事では、GSユアサのYT4L-BSとYTX4L-BSの違いから、適合車種、互換性の注意点まで、分かりやすく解説していきます。バッテリー選びで失敗したくない方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
YT4L-BSとYTX4L-BSの基本情報
まず、この2つのバッテリーがどんな位置づけなのか見ていきましょう。
両モデルの位置づけ
YTX4L-BSはYT4L-BSの上位モデルで、YT4L-BSは従来モデル(型落ち)という位置づけです。どちらもGSユアサが製造する小型バイク向けの12Vバッテリーで、メンテナンスフリー構造になっています。
つまり、YTX4LはYT4Lのセル始動用の改良版(改善バージョン)ということなんですね。電解液の補充が不要なので、日常の手入れがとっても楽なのが特徴です。
共通している仕様
実は、この2つのバッテリーは多くの部分で共通しています。
- 公称電圧:12V
- 容量:3.2Ah(約3.0Ahと表記される場合もあります)
- サイズ:長さ114mm × 幅71mm × 高さ86mm
- 端子形状:E型
- 極性:共通(+が右側)

サイズや容量が同等なことから、定番モデルとして知られています。取り付け寸法や端子の形状が同じなので、物理的にはどちらも装着できるんです。
YT4L-BSとYTX4L-BSの違い【比較表付き】
それでは、具体的にどこが違うのか詳しく見ていきましょう。
始動性能(CCA)の違い
これが最も重要な違いです!
エンジン始動性能の指標であるCCA(コールドクランキングアンペア)の値が、
YTX4L-BSは50A、YT4L-BSは40Aです。
CCAって何?という方も多いと思いますが、簡単に言うと「寒い時にどれだけ強くエンジンを回せるか」を示す数値なんです。-18℃の低温環境において、エンジン始動に必要な電流をどれだけ安定して流し続けられるかを示します。
数値が高いほど、瞬間的に大きな電力を放出できるので、エンジンがかかりやすくなります。YTX4L-BSはCCA値が高いため、スターターモーターをより力強く回転させることができ、気温が低い日やエンジンが冷え切っている状況でも、安定した電圧を保ちながらクランキングを続けられます。
重量の違い
YTX4L-BSは約1.5kg、YT4L-BSは約1.2〜1.4kgです。YT4L-BSの方が300gほど軽いんですね。

ただし、この重さの差は実用上ほとんど影響ありません。バイク全体の重量から考えれば微々たるものですからね。
価格の違い
ここは多くの人が気になるポイントですよね。
YTX4L-BSは5,000〜5,500円前後、
YT4L-BSは3,300〜3,700円前後で、
約2,000円の価格差があります。

性能が高い分、YTX4L-BSの方が価格は高めに設定されています。
違いを分かりやすく比較表でチェック
| 項目 | YTX4L-BS | YT4L-BS |
|---|---|---|
| 始動性能(CCA) | 50A(高性能) | 40A(標準) |
| 重量 | 約1.5kg | 約1.2kg |
| 価格帯 | 5,000〜5,500円 | 3,300〜3,700円 |
| おすすめ用途 | セルスターター車 | キックスタート車 |
| エンジン | 4ストローク向き | 2ストロークでもOK |
適合車種と互換性の重要ポイント
さて、ここからが本当に大事な部分です。互換性を間違えると、バイクにダメージを与えてしまう可能性があるんです。
主な適合車種
これらのバッテリーは、主に以下のようなバイクに使われています。
- 原付スクーター(ホンダ、ヤマハ、スズキなど)
- 小排気量のバイク
- 旧車カスタムハーレー(キックスタート仕様)
特に原付バイクのスクーター、例えばヤマハのJOGでは、パーツリストの純正部品型番はYT4Lなのに、新車時にはYTX4Lが標準搭載されていたこともあったようです。
互換性で絶対に覚えておくべきこと
これは本当に重要なので、しっかり覚えてください!
✅ OKなパターン
YT4L-BS適合車両に「YTX4L-BS」を搭載するのは問題ありません。むしろメリットが多いんです。
- エンジンの始動性が向上する
- バッテリーの寿命が延びる可能性がある
- 冬場でも安心して使える
高性能版を使うことで、良いことづくめなんですね。
❌ NGなパターン
YTX4L-BS適合車両に「YT4L-BS」を搭載することは推奨されません。これをやってしまうと:
- 始動性能が不足する可能性がある
- 早期にエンジンが始動できなくなるリスクがある
- バッテリーの寿命が短くなる
メーカーはYTX4L-BSが指定されている車両にYT4L-BSを使用することを、始動性やバッテリー寿命の観点から推奨していません。
GSユアサの公式見解
GSユアサの説明によると、YTX4L-BSとYT4L-BSではサイズ・容量が同じですが、バッテリーの性能が異なっており、YTX4L-BSの方が高性能タイプでエンジン始動性能に優れています。新車搭載がYTX4L-BS適合車両にYT4L-BSを搭載すると、早期エンジン始動不能やバッテリーの短寿命の要因となるので、YTX4L-BSを使用するようお願いします。

メーカーがここまではっきり言っているので、指定されたバッテリーを使うのが安全ですね。
どちらを選ぶべき?使用シーン別の選び方
結局どっちを買えばいいの?という疑問に、シーン別でお答えします。
YTX4L-BSがおすすめな人
こんな方は、迷わずYTX4L-BSを選びましょう。
- セルスターター式のバイクに乗っている
- 冬場や寒冷地でもバイクに乗る
- 街中での短距離走行が多い(信号待ちなどストップ&ゴーが多い)
- 確実な始動性能を重視したい
- 4ストロークエンジンのバイク
冬場の通勤・ツーリングや、短距離走行の繰り返しなど、エンジン始動の負荷が高い使い方にはYTX4L-BSが適しています。
現在の主流である4ストロークバイクは、セルスターター(セルボタン)で始動するため、大きな電気が必要なんです。エンジンの中の動きが現在主流の4stバイクは、一昔前の2stバイクに比べても二倍の力が必要になります。それだけエンジンを始動させるには電気の容量が必要なので、高性能なYTX4L-BSの方が安心なんですね。
YT4L-BSがおすすめな人
一方、こんな方はYT4L-BSでも十分です。
- キックスタート式のバイクに乗っている
- 価格を重視したい(予算を抑えたい)
- 温暖な地域での使用がメイン
- 年間の走行距離が少ない
- 2ストロークエンジンの旧車に乗っている
キックスタート式のバイクの場合、あまり電力を使わずに始動できるため、始動性能が低くてもあまり問題はありません。
一昔前にあったキックスタート(キック始動)がついていた2stバイクでは、あまり電気を使わずに始動できていました。ですから、キック始動をメインに使うのであれば、YT4L-BSで全く問題ないんです。
セルスタートとキックスタートの違い
ちょっと補足しておきますね。
- セルスターター:ボタン一つでエンジン始動。電動モーターを回すので大きな電力が必要
- キックスタート:足でペダルを踏んでエンジン始動。バッテリーの電力をほとんど使わない
この違いが、バッテリー選びに大きく影響するわけです。
ユーザーの口コミ・評判
実際に使っている人たちの声も参考にしてみましょう。
YTX4L-BSの口コミ
良い口コミ
- 純正品だから信頼できる
- セル音が元気になった
- 値段は高めだけどコスパは良い
悪い口コミ
- 海外製の安いバッテリーとの違いが正直分からない
- 10ヶ月で充電しなくなったという報告も
- 思ったより長持ちしなかった
YT4L-BSの口コミ
良い口コミ
- とにかく価格が安い
- 普通に使う分には問題なく使える
- GSユアサという信頼性が高い
悪い口コミ
- すぐに放電してしまうことがある
- 耐久性がどれくらいか不明
- 早々にバッテリーが上がってしまった

口コミを見ると、価格と性能のバランスで評価が分かれている感じですね。
バッテリー選びで注意すべきポイント
最後に、バッテリー選びで気をつけるべきことをまとめておきます。
純正バッテリーの重要性
GSユアサと古河バッテリーが国内2大シェアで、長年バッテリー一筋で100年以上続く老舗メーカーの信頼感は絶大です。
安価な海外製バッテリーも多く出回っていますが、品質のばらつきや寿命の短さが問題になることも。長い目で見れば、信頼できる国産メーカーを選ぶ方が結局お得だったりします。
ちなみに、製造国がタイ製でも品質には問題ありません。最近では多くのバッテリーがタイで製造されていますが、品質管理はしっかりしているので安心してくださいね。
車両の取扱説明書を必ず確認
これは基本中の基本ですが、自分のバイクの取扱説明書やサービスマニュアルで、指定されているバッテリーを必ず確認しましょう。
適合車種以外のバッテリーを使うと、故障や不具合の原因になることがあります。メーカーが推奨しているバッテリーを使うのが一番安全です。
バッテリー交換時の注意点
自分で交換する場合は、以下の点に注意してください。
- 端子を外す時は必ずマイナス側から
- 取り付ける時はプラス側から
- 古いバッテリーは適切に廃棄(バイクショップやガソリンスタンドで引き取ってくれます)
まとめ:結局どちらを選べばいい?
長くなりましたが、最後にポイントをまとめますね。
選び方の結論
- セルスターター車に乗っているなら → YTX4L-BS一択
- キックスタート車に乗っているなら → YT4L-BSでも十分
- 互換性の向き → 下位モデルから上位モデルへの変更はOK、逆はNG
最終チェックリスト
バッテリーを購入する前に、もう一度確認しましょう。
✅ 自分のバイクの始動方式(セル?キック?) ✅ 使用環境(寒冷地?温暖地?使用頻度は?) ✅ 予算とのバランス ✅ メーカー推奨の適合車種

バッテリー選びって難しそうに見えますが、ポイントさえ押さえれば簡単です。この記事が、あなたのバッテリー選びの参考になれば嬉しいです。安全で快適なバイクライフを楽しんでくださいね!


